トイレの床にじんわりと広がる水たまり。田川市でも排水口交換したトイレつまりがその光景を目にした時、私たちの思考は、ほぼ自動的に「タンクトラブル」へと直結します。タンクと便器の接合部だろうか、それともタンク本体にひびでも入ったのだろうか。しかし、タンクばかりに気を取られていると、実はすぐ足元に潜んでいる「真犯人」を見逃してしまう可能性があります。その犯人とは、壁や床からタンクへと水を供給している、一本の「給水管」です。タンクからの水漏れだと思い込んでいたものが、実は給水管からの水漏れであった、というケースは決して少なくありません。今回は、見過ごされがちな給水管トラブルの具体的なチェックポイントと、その対処法について詳しく解説します。 まず、給水管からの水漏れを疑うべき、最も分かりやすいサインは、水漏れが発生している「場所」です。高砂市でも浴室トラブルを専門にした点検には、水たまりがタンクの真下ではなく、タンクの側面や、壁際、床際といった、給水管が通っている周辺に集中しているのであれば、タンク本体よりも給水管を疑うべきでしょう。乾いた布で床をきれいに拭き、ティッシュペーパーを給水管の各所に当ててみることで、どこから水が滲み出ているのかをより正確に特定できます。 チェックすべきポイントは、主に三つあります。一つ目は、最も多くトラブルが発生する「接続部のナット」です。給水管は、壁や床に設置された「止水栓」と、タンクの給水弁という、二つのポイントでナットによって接続されています。このナット内部にあるゴム製のパッキンが経年劣化で硬化し、弾力性を失うことで、その隙間から水がポタポタと漏れ出してくるのです。ナット部分にティッシュを当てて湿るようであれば、原因はここでほぼ確定です。応急処置として、まずは止水栓を閉めた上で、モンキーレンチを使ってナットを軽く増し締めしてみましょう。ただし、締めすぎは禁物です。これで止まらない場合は、パッキン交換が必要になります。 二つ目のチェックポイントは、「止水栓の本体」です。止水栓は、水の流れを止めたり、水量を調節したりするための重要な部品ですが、この止水栓のハンドルの根元や、水量調節ネジの部分から水が滲み出てくることがあります。これも、内部のパッキン(スピンドルパッキンやコマパッキン)の劣化が原因です。止水栓自体からの水漏れは、修理に専門的な知識が必要となるため、DIYでの対処は難易度が高く、無理せずプロに依頼することをお勧めします。 そして、三つ目のチェックポイントは、少し意外かもしれませんが、「給水管のパイプそのもの」です。特に、金属製のパイプの場合、長年の使用で表面に小さな穴(ピンホール)が開いたり、亀裂が入ったりすることがあります。これは、水道水に含まれる塩素などの影響で、金属が徐々に腐食していくことが原因です。パイプの途中に水滴がついていたり、濡れた筋ができていたりする場合は、パイプ自体の寿命が考えられます。この場合、部分的な補修は難しく、給水管全体の交換が必要となります。また、冬場に水道管が凍結し、その膨張圧でパイプに亀裂が入ってしまうケースも少なくありません。 いずれの箇所からの水漏れであっても、最初に取るべき行動は共通しています。それは、家全体の水道の「元栓」を閉めることです。止水栓自体から水が漏れている場合、トイレの止水栓を閉めても意味がありません。屋外のメーターボックス内にある元栓を閉めることで、家全体の水の供給を止め、被害の拡大を確実に防ぐことができます。 トイレの水漏れと聞くと、私たちはついタンクという大きな存在にばかり目を奪われがちです。しかし、その脇で黙々と水を運び続ける給水管もまた、日々の暮らしを支える重要なライフラインであり、時と共に確実に劣化していきます。床の水たまりを見つけたら、一度視線を下げ、足元の小さな配管にも注意を向けてみてください。その冷静な観察眼こそが、トラブルの真の原因を突き止め、迅速で的確な解決へと導く、最も重要な鍵となるのです。
その水漏れ、本当にタンクが原因?意外な犯人「給水管」のチェックリスト