お子さんの歯並びについて、歯科医師から矯正治療を勧められた時、多くの保護者の方は「本当にうちの子に、今、必要なのだろうか」と、一度は立ち止まって考えることでしょう。費用も時間もかかる治療です。そのメリットとデメリットを、冷静に天秤にかけ、親子で納得した上で決断することが何よりも大切です。まず、小学生の時期に矯正を始めることの「メリット」を整理してみましょう。最大のメリットは、前述の通り「顎の成長を利用できる」ことです。これにより、将来的な抜歯のリスクを減らしたり、出っ歯や受け口といった骨格的な問題を根本から改善したりすることが可能です。また、早期にコンプレックスを解消することで、お子さんの健全な心の成長をサポートできるという、心理的なメリットも非常に大きいでしょう。さらに、指しゃぶりや口呼吸といった悪習癖を改善することは、歯並びだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えます。一方で、「デメリット」や「負担」も存在します。まず、経済的な負担です。第1期治療だけで数十万円の費用がかかり、もし第2期治療が必要になれば、さらに追加の費用が発生します。また、お子さん自身の負担も無視できません。装置による痛みや違和感、食事や歯磨きの不便さ、そして、見た目を気にするお年頃であれば、装置がついていること自体がストレスになる可能性もあります。治療期間が、第1期と第2期を合わせて長期間に及ぶことも、デメリットと感じるかもしれません。これらのメリットとデメリットを、どう評価するか。それは、ご家庭の価値観や経済状況、そしてお子さん自身の性格によっても変わってきます。一つの考え方として、「その問題を放置した場合、将来どんなリスクがあるか」という視点を持つことが重要です。例えば、骨格的な問題は、成長期を逃すと外科手術でしか治せなくなります。重度のがたつきは、将来の虫歯や歯周病のリスクを著しく高めます。そうした将来的なリスクを回避するための「先行投資」として、早期治療の価値を見出すことができるかどうか。歯科医師からの客観的な情報をもとに、ご家族でじっくりと話し合い、お子さんにとって最善の道を選択してあげてください。
子供の矯正は本当に必要?メリットとデメリットを天秤にかける