私たちは水道修理のプロとして、日々様々な水漏れ現場に駆けつけていますが、中でもキッチンのシャワーホースからの水漏れは非常に多い案件の一つです。お客様からよく「どのくらいで交換するのが良いのですか?」と質問されます。明確な耐用年数が定められているわけではありませんが、私たちの経験から言うと、シャワーホースの交換目安は、おおよそ設置から10年前後と考えるのが一つの基準です。もちろん、使用頻度や使い方によってその寿命は大きく変わります。毎日頻繁にホースを引き出して使うご家庭と、ほとんど引き出さないご家庭では、劣化のスピードが異なるのは当然です。しかし、10年という歳月が経過すると、材質そのものが硬化したり、紫外線や温度変化の影響で弾力性が失われたりして、見た目には問題がなくても、いつ亀裂が入ってもおかしくない状態になっていることが多いのです。水漏れが起きてから交換する、という考え方もありますが、それではシンク下の床材を傷めたり、階下漏水のリスクを常に抱えることになります。そこで私たちが推奨しているのが、予防的な交換です。例えば、設置から8年を過ぎたあたりから、意識的にシンク下を点検する頻度を上げましょう。ホースの表面を触ってみて、以前より硬くなっている、あるいは表面に細かなひび割れが見えるといった兆候があれば、それは交換のサインです。水漏れという実害が発生する前に、先手を打って交換することで、余計な修理費用や心配事をなくすことができます。シャワーホースは、キッチンの便利さを支える重要な部品であると同時に、消耗品であるという認識を持つことが大切です。10年という節目を目安に、一度ご自宅のキッチン水栓の状態を見直してみてはいかがでしょうか。それが、安心で快適なキッチンライフを維持するための賢い選択です。
キッチン水漏れのプロが語るシャワーホース交換の目安