真夜中に突然マンションの水が出なくなると、多くの人が「水道管が壊れたのでは」と深刻な事態を想像して不安になるかもしれません。しかし、実際には様々な原因が考えられ、その多くは深刻な故障ではないケースも少なくありません。深夜に水が出なくなる主な原因を知っておくことで、いざという時に冷静に状況を判断し、適切に対応することができます。最も多い原因の一つが、事前に告知された上での計画的な断水です。貯水槽の清掃や水道管のメンテナンス工事などは、住民の生活への影響が少ない深夜から早朝にかけて行われることが一般的です。管理会社からの案内を見逃していると、突然水が出なくなったと勘違いしてしまうのです。次に考えられるのが、予期せぬ緊急工事です。近隣で水道管の破裂事故などが発生した場合、復旧作業のために予告なく周辺一帯が断水することがあります。また、マンション共用部の設備トラブルも原因となります。多くのマンションでは、一度「受水槽」に水を貯め、それをポンプで各戸へ供給しています。このポンプが故障したり、停電で作動しなくなったりすると、建物全体で水が出なくなります。冬場であれば、水道管の凍結も大きな原因です。特に外気に晒されているメーターボックス内の配管や、北向きの部屋の配管は凍結しやすく、水が流れなくなってしまいます。そして、意外と見落としがちなのが、自分の部屋だけの問題です。何かの拍子で玄関横の水道メーターにある元栓が閉まってしまっていたり、あるいは水道料金の支払いを忘れていて供給が停止されたりするケースです。このように、原因は建物全体に関わるものから、個人の問題まで多岐にわたります。まずは慌てず、自分の部屋だけの問題なのか、建物全体の問題なのかを見極めることが、解決への第一歩となります。